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タブレットと自動釣銭機をつなぐmC-Bridge ―安定運用を考えた設計思想―

RS232C通信の自動つり銭機をタブレットから安定制御したい—
その要件に対し、mC-Bridgeは従来のシリアル機器とタブレットをLANで橋渡しする中継ボックスです。
本記事では、スター精密の自動釣銭機コントロールボックス「mC-Bridge」を、システム開発者様視点で解説します。

飲食店・小売店への自動釣銭機の普及

人手不足が深刻化する中、飲食店や小売店では業務効率化が急務となり、自動釣銭機の導入が急速に進んでいます。

セルフ会計端末の広がりで、お客さま自身が会計を操作する流れが一般的になり、店舗スタッフのレジ業務の工数を削減できる上に、混雑時の待ち時間も短くできます。

また、セミセルフ会計端末という、レジ打ちは店舗スタッフが対応して現金の投入と釣銭は自動釣銭機が行うパターンでは、釣銭の渡し間違いを減らせます。
レジ締めや両替などの負担が軽くなり、スタッフは接客や調理、品出しなどに時間を使えるようになります。

タブレットPOSとの相性の良さも普及を後押ししています。
タブレットPOSは導入コストを抑えやすく、短期間で始められ、レイアウト変更にも柔軟に対応できます。
自動釣銭機と連携することで、会計データの一元管理、売上と現金在高のリアルタイム照合、従業員のトレーニング工数の低減が実現できます。
小規模店舗から多店舗チェーンまで、オペレーションを標準化しつつ、セキュリティと正確性を担保できるため、自動釣銭機は国内で確実に定着しています。

人手不足の時代に、ミスの削減と顧客体験の向上を両立するサービス向上を両立するソリューションとして、今後も採用が広がる見込みです。

自動つり銭機中継ボックス「mC-Bridge」の特徴

シリアル通信しかない自動釣銭機をタブレットへつなげる

多くの自動釣銭機はRS232C通信にしか対応しておらず、タブレットへ直接接続できません。

そこで、RS232C 通信を mC-Bridge が LAN 通信へ変換することで、自動釣銭機をタブレットへ接続可能にします。

さらに、スター精密独自の品質評価により、通信品質も担保します。

タブレットPOSベンダー様は、自動釣銭機を採用したくても、RS232C 通信の自動釣銭機とタブレットの接続方法にお悩みでした。
また、変換機器を導入しても品質が悪いとトラブルが発生することを懸念されていました。

mC-Bridgeは、このようなお悩みを解決するためにリリースした製品です。

通信変換の構成図

自動釣銭機を制御する開発キットSDKをご用意

自社のシステムに自動釣銭機を接続するには、自動釣銭機のコマンドを用いて実装する必要があります。
しかもメーカーごとにコマンドが異なるため、別メーカーの機種を追加するたびに、改めてコマンドを学習する必要があります。

スター精密の mC-Bridge 専用 SDK を使用すれば、API ベースの接続開発が可能です。
自動釣銭機のコマンドを学習する必要がないため、開発工数を削減できます。

通信の変換機能だけではなく、使いやすいSDKを提供している点が、導入ベンダー様に高く評価されています。

SDKの対応OSは、iOSとAndroidのネイティブアプリです。
画像をクリックすると、SDKのダウンロードページへリンクします。

iOS SDK for mC-Bridge
Android SDK for mC-Bridge

トラブル発生時の対応を考慮した設計

タブレットと自動釣銭機をつなぐソリューションとして、プリンターに通信の変換機能を搭載した製品もあります。
レシートプリンターはPOS機器構成にほぼ必須のため、プリンターに機能を搭載することでハードウェアを減らせます。
しかし、弊社はプリンターメーカーですが、この方針は採用しませんでした。

その理由は、プリンターが故障すると同時に自動釣銭機も機能しなくなるからです。
POSの周辺機器の中で、自動釣銭機とレシートプリンターのどちらが故障時に運用へ大きな影響を与えるかを考えると、自動釣銭機のほうが影響は大きいと考えられます。

そのため、安定運用を第一に考え、mC-Bridgeはプリンターから独立した中継ボックスとして製品化しました。

また、つり銭機との通信ログをタブレット端末に記録する機能もSDKに搭載しています。
このログ機能は、障害発生時のトラブルシューティングに貢献します。

自動釣銭機という重要な機器と接続する製品だからこそ、安定運用を重視しています。

mC-Bridgeとプリンターの構成図

開発支援

mC-Bridgeの接続開発に関してご不明な点がございましたら、弊社の技術サポートがご質問にお答えいたします。

システム開発ベンダー様には、弊社の営業担当が付きますが、技術的な内容については直接技術サポートチームが対応することで、スムーズな接続開発を支援できるよう、弊社でも体制を整えております。

技術サポート

SIer様支援サービス

ハードウェアの販売、システム連携を含むソリューション提案や、導入後の技術サポートを通じて、システム開発ベンダー様のビジネスを支援いたします。

対応自動釣銭機リスト

メーカー

シリーズ名

型番

mC-Bridge
F/W Ver

Star mBridge SDK Ver

iOS

Android

グローリー

300シリーズ

RAD-300
RT-300

Ver 1.0以上

Ver 1.0.0以上

Ver 1.0.0以上

N300シリーズ

RAD-N300
RT-N300

Ver 1.0以上

Ver 2.0.0以上

Ver 2.0.0以上

380シリーズ

RAD-380
RT-380

Ver 1.0以上

Ver 1.0.0以上

富士電機

ECS-777

Ver 1.3以上

Ver 2.0.0以上

Ver 2.0.0以上

仕様

メーカー スター精密
型番 MCB10DE GRY JP
ボディーカラー グレー
外形寸法 (幅)125mm × (奥行き)125mm × (高さ)40mm ※突起部を除く
 重量 約220g
インターフェイス RS232C : シリアル通信機器接続用 
 Ethernet (LAN): ネットワーク機器接続用(ハブやルーターなど)
添付品 インストレーションシート / 電源アダプター

お問い合わせ

今回は、自動釣銭機向け通信中継ボックスmC-Bridgeについて解説しました。

もしご興味持っていただけましたら、ぜひお気軽にご相談ください。

既存システムへの組み込みや運用フローのご相談、SDKやAPIに関するご質問も大歓迎です。

ご不明点や「ちょっと聞いてみたい…」というご相談も、どうぞお気軽にお問合せください。

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